「雨は嫌だよなー。」

窓を見て、そう呟くのは弘樹。

それには同感。

梅雨は暑苦しいしね。

「愛は嫌いな季節って何?」

そんなことを聞いて何になるんだ。

と、内心思いつつも、答えてやることにする。

あの日以来、私はこいつの変な質問に答え続けている。

特にプライベートのことを聞いて来るわけでもないから、なんとなしに答えているだけだ。

けど、最近はそれがなんとなく当たり前で、生活の一部になろうとしていた。