付き合ってた、なんて
言えるはずがなかった。
そんな簡単に言えるほど
俺は強くなかったし
彼女を傷付けたくなかった。
もし付き合ってたなんて言ってしまったら、きっと鈴香は俺に気を遣うだろうし
俺もそんなのは嫌だ。
「ねね、検査まで暇だからさ
高校のときのこと教えてよ?
なんか思い出せるかもしれないし!」
「いーけど、例えば?」
「ん〜、あたしどんな感じだった?
性格とかー、行動とかー、勉強とか!」
「そうだな〜…
頭はそれなりに良かったよ?
俺教えてもらったりしたことあるし。」
「え!ほんとに??」
「うん、でも行動はアホっぽいかな。
それにうるさかった(笑)」
「えー!なにそれひどい!(笑)」
そうやって鈴香は、前と変わらず目を細めてくしゃっとした笑いを見せた。
俺は涙が出そうだった。
彼女の笑顔、しぐさ、
彼女のするなにもかもがあの頃を鮮明に思い出させる。

