体を縮こまらせて前に進もうとしたけど、満員電車のようにギュウギュウ詰めのせいか全然進まない。 それどころか、人の背中しか見えなくて何が売っているのかも全然見えない。 目の前には人の壁、壁、壁! せめて、もう少し背が高かったら良かったのに! 身長の低さを、これほどまで呪ったことはない。 さっきから人の腕や肘が顔や体に当たって痛いし、チビのわたしは案の定すぐに押し潰された。 ーードンッ 「……っ!」 さらには、誰かの腕が思いっきり当たって、勢い良く後ろに突き飛ばされた。