車のドアが開いて背中を押され、倒れ込む形で中に入らされる。



「……っ!」



その衝撃でシートが顔に直撃して、めちゃくちゃ痛かった。



ヒリヒリするのを感じながらも、こういう時は大人しくしているのが身のため。



大人しくしてなきゃ。


大人しく。


大人しく……。



「恨むんなら、一条を恨め。あいつのせいでこんな目に遭うんだからな」



ニヤッと笑う銀髪の男は、そのまま車のドアを閉めようとした。



ーーガッ



だけどやっぱり、このまま大人しくしていられなかったわたしは、閉まりかけたドアを思いっきり蹴ってこじ開けた。