ずっと欲しかったその言葉が、お母さんの口から出たなんて未だに信じられない。 これまで、ずっとその一言が欲しくてたまらなかったから。 まさか、今こんな風にもらえるなんて思ってなかったから……。 どうしよう。 嬉しい。 昔からずっと、答案用紙を見せる度にため息を吐かれてたのに。 嬉しくて嬉しくて、涙が滲んで頬が緩む。 「この調子で、これからも頑張りなさい」 「……うん!ありがとう」 お母さんは、優しく微笑んだまま部屋を後にした。 目に浮かんだ涙を、指でそっと拭う。