その日、深海城は少し慌ただしい空気に包まれていた。 「姫!姫さま!姫さまはどこじゃ!ええーい、どこにおられる!」 ドカドカと足音を響かせながら廊下を駆ける岬平目十郎。 「どうかいたしましたか、じい。」 慌てる岬平とは対照的に涼しい顔で答える百合の腕には千手が抱えられていた。 「ま、またしても異形のものを!お止めくだされと何度申し上げたか....と、それどころではございませぬ! 殿様がお戻りあそばされますぞ!!」