「じい、許してください。この子達の声ならぬ声を聴いてやるのもわたくしの勤めなのですよ。」 すこし悲しそうな、困ったような顔をして百合が言う。 「...まったく、姫さまにそんなお顔をされては敵わぬわい。...しかし姫さまのためにござりまする、下々の者たちにはくれぐれもお見せなさらぬように。」 「解っておりまする。」 にこり、と白い歯を覗かせて百合は去っていった。 「...出来すぎる忍びを姫さまに就かせるのも心配じゃのォ...。」 そう言って岬平はまた頭をがしがしと掻いた。