君にキスができるまで。






「はーすごいねぇ。 そのセリフ、秋だから言えるよな〜。イケメンうらやましー」



こいつは俺をけなしてるようで、ほめてる?


よくわかんねぇ。 つか、わかる必要もねぇな。



「とりあえず拓巳、みさちゃんって呼ぶなよ。河北(かわきた)さんて呼べ」


「は〜? なんで秋に命令されなきゃなんねーんだよ。 このネタでからかうの楽しいのに〜」



意地の悪そうな顔で笑う拓巳。


おい、心の声もれてんぞ。 さらさら隠す気ねーだろ。



「拓巳めんどくせー」



俺はそう吐き捨てると、体の向きを変えて前を向く。