最初から、なにかがおかしいと思ったの。



だって、部活をしてないわたしには3年生の知り合いなんていないし。


こじんまりと毎日の生活を送っているわけで。




「……で? なんで無言なわけ? 秋くんと付き合ってんのかって聞いてんだけど」



体育館裏。


ここは佐久間くんと付き合うことになった大切な場所なのに。



いまは、わたしを囲むように5人の先輩方が仁王立ちしている。


美人な先輩だけに、目力もすごい。



こ、怖……!


なんで素直についてきちゃったんだろう!



「……えと、その……」