「さ、佐久間くん……」
俺の背後に立つみさちゃんの声は、かすかに震えていた。
すぐに抱きしめたいと思ったけど、ぐっと我慢して、目の前の男をにらみつける。
「センパイ、みさちゃんのこと本気なんですか?」
「ちっ、そうだよ。 だから退いてくんねぇ? 邪魔なんだけど」
茶髪に染めた見るからにチャラチャラした男は、めんどくさそうに俺を見てくる。
こんなへんな虫がつくなら、みさちゃんと話さないなんて言うんじゃなかった。
「退かねぇよ。 おまえなんかに渡さねぇ」
俺にだって、みさちゃんを守ることくらいできる。



