そのタイミングのよさに望みが打ち砕かれた気分になって、すこしだけ声のトーンが落ちる。


でも、いま、名前……!




「なーに? やっぱりキスしてほ」


「ばかじゃないの」



その言い方は氷点下を下回るくらい冷たいのに、

すこし腕をゆるめてみさちゃんを見ると、彼女の頬はほんのり赤い。



あーもう。

かわいいなぁ。


確信犯? 俺を逃がさないための?


そんなことしなくたって、俺はみさちゃんしか好きにならないけどね。


てか、もとからみさちゃんしか見てない。