「周りなんてどうでもいいのー。 みさちゃん、なに買うの?」


「どうでもよくなんか……っ!」



こっちを振り向きたそうだったけど、俺にホールドされててできない。


そんな状況に諦めがついたのか、みさちゃんはすっときれいな手で自販機の飲み物を指差した。



「ココアかいちごオレで迷ってて……」


「へえ、みさちゃん甘党だね」



知らなかった。 新たなみさちゃんを知れてうれしい。


……それに、普通に会話できたのがいちばんうれしい。



「みさちゃんいちごオレ買いなよ」


「えっ、なん……っ」


「いいからいいから」