「……逃げられた」
「は? 逃げられた?」
これってフラれるよりもつらくね?
逃げられるとかさ。
告ってからというもの、みさちゃんは警戒心が強くなってしまい、かんたんに抱きつけなくなった。
それからGWに入ったせいで、完全にみさちゃん不足。
「秋が女の子に逃げられるとはな……」
びっくりしたようにつぶやきながら、イスに座る拓巳。
「いいよ。 俺は諦めが悪いから」
自分から告ったのは、はじめてだ。
だから、諦めたりしない。
「ははっ、河北ちゃんもたいへんだな〜! 秋に気に入られるなんて」
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