「耳もとでしゃべるなんて、もう嫌がらせとしか思えないよ」 むっと不機嫌そうな声で小さくつぶやいたみさちゃん。 ちょ、なにこれ。 かわいい。 かわいすぎて卒倒しそう。 「みさちゃん、耳もとでしゃべられるのが苦手なんだ?」 「わっ……え、うん」 みさちゃんから体を離して、正面からじっと見つめる。 すると、みるみるうちにみさちゃんの顔が赤くなる。 「……ん? どした?」 わかってて、聞いた。 俺がひたすら見つめるから、みさちゃんの顔は真っ赤になっていた。 「わ、わかってるくせに……」