「みーさーちゃん」 「ひゃあ! ななななに!?」 その日の放課後。 帰ろうとしていたみさちゃんに、いつものようにうしろから抱きついた。 ひゃあ、って。 かわいすぎる。 みさちゃんはわずかにうしろを振り向き、俺を見上げてくる。 「さ、佐久間くん……」 「なーに? そのいやそうな顔〜」 俺がみさちゃんに好かれてるとは、思ってもねぇけどな。 やっぱりさ、欲を言えば……笑ってほしいだろ? 抱きついてばっかの俺が言うのもおかしいんだけど。 「ほんとにやだ……耳くすぐったいし」 ……は? 耳?