君にキスができるまで。






「また多野先生のとこ〜? 美沙子、数学得意なくせに〜!」


「あはは、多野先生わかりやすいからさ。それに、話してて楽しいんだー! 進路のこと……」



ガラッバンッ!!


多野のことを楽しそうに話すみさちゃんの声をこれ以上聞きたくなくて、

ドアを思いきり強く開けたら意外と大きな音が響いた。



「佐久間……どうかしたのか?」


「……なんでもないです。 すいません」



担任にまで驚いたように聞かれ、クラスのみんなの視線を集めながら席につく。



あーイライラしてしょうがねぇ。


なんでよりによって"先生"なわけ?