君にキスができるまで。









「やべー……遅くなった〜」



それから、数日経ったある日。


俺はめずらしく寝坊して、バタバタと廊下を走っていた。



こんな時間じゃ、みさちゃんとも会えねーよ!


それだけはマズい。 つーか、会わねぇと今日のモチベーション下がる。



「美沙子! おはよ〜! どこ行ってたの〜?」


「おはよー! うん、ちょっと多野先生のところにね」



ちょうど自分の教室の前についたとき、隣のクラスのドア付近からそんな話し声が聞こえてきた。


あー最悪。 遅かったか。



……っと、待てよ?


いま、多野って言ったような……。