君にキスができるまで。






「はい、じゃあ実験道具取りに来いよ〜」



いつの間にか先生の説明は終わっていて、周りが騒がしくなった。


道具は女子ふたりが取りにいってくれて、俺たちはイスに座ったまま。



「ちゃんと好きって言ったんだろ?」


「…………」



拓巳の突然の質問に驚いたわけじゃない。


ただ、好きって……。



「はっ!?言ったことねーの!?」


「あー……たぶん。 かわいいとかキスしたいとかしか言ってねーかも」


「ぶっ! それただの変態だろ! 秋、マジウケる!」



なにがマジウケるだよ。


俺は本気で好きだっつーの。