「みーさーちゃん。 おはよ」
「おは……ってうわあああ、くっつかないでっ」
桜も散りはじめた4月下旬。
みさちゃんとクラスが離れてしまってからというもの、廊下で見つけては抱きつく習慣がついてしまった。
俺の腕の中で暴れるみさちゃん。
抵抗したって、逃げられっこないのに。
なんとか逃げようとするから、かわいい。
もっといじめたくなるっていうか。
みさちゃんが廊下を通るところを発見した俺は、いつものように廊下へ出た。
すたすたと廊下を歩いていくみさちゃんに後ろから抱きついて、
いまの状況にいたるってわけ。