すると、みさちゃんは教室へ入ろうとする多野の近くまで小走りで向かう。 「先生っあの、昨日の練習問題がどうしても解けなくて……」 「あーあの問題は応用だからなぁ。 どこまで解けた?」 「あ、ノート持ってきます!」 そう言ってあわてて教室へ戻っていくみさちゃん。 なにあれ。 気に食わねぇ。 「うわ、佐久間どうした。 すげぇ目つき悪いけど」 「なんでもないです。 じゃ」 多野の言葉を受け流し、俺も授業の準備をしようとロッカーへ向かう。 「多野せんせー。 かっこいいから人気だよな〜」