君にキスができるまで。






「河北、佐久間。 おはよう。 ほんとおまえたちいつも一緒にいるな〜」



そう言いながら俺たちの前に現れたのは、去年うちにきた数学教師。


1年のときはまったく関わりがなくて、2年になってはじめて授業を受けた。


だから、まだ名前が……。



「多野(たの)先生! おはようございます!」



元気よくあいさつをするみさちゃん。


顔を見なくても、にこにことあのかわいい笑顔を向けてるんだってわかった。



「佐久間くん、いい加減離してよ」


「え、あ、わりぃ……」



みさちゃんの雰囲気を察して、反射的に腕を離す。