君にキスができるまで。





声。


みさちゃんの声、すげーかわいいの。


だから、冷たい態度をとられても声がかわいすぎて1ミリも傷つかねーの。



俺がMだとか、メンタル強いとか、そんなんじゃねーからな。


つーか、俺はどっちかっていうとSだし。 自覚はある。



「秋ーどうせにやけてんでしょーみさち」


「みさちゃんって呼ぶな」



そう言いながら、うしろからつっついてくる拓巳の手を払い落とす。


こりないやつだ。



「彼氏じゃないくせに〜」


「あ?」


「……はいはいわかりましたよー」



うしろ振り向いてにらむと、拓巳は呆れたように肩をすくめた。