「執着って、恐い言い方だわ。カヲルの件があるんだもんそれでじゃないの?」


「まあ、それも有るだろうけど少し違うんだよね。どちらかと云うとさジュンさんに対する態度に近いか…ねえ加奈子。佐久間って本当に初対面だった?実は昔関わりが有ったとかさ」


佐久間と私が?ネットで見た佐久間のプロフィールを思い浮かべる。出身地、学歴、会社…どう考えても接点などある筈は無かった。


「絶対と迄は言い切れないけど、それは無いわよ」


「そうよね…いくら加奈子でもそれは無いわよね」


「酷い言い方…いくら加奈子でもって…」


「まあ、この先当分佐久間と関わるんだからさ。そのうちわかるんじゃない?」


「恭子こそ興味津々でしょ?」


それもそうだ、と言い残して恭子は先に車を降りた。