「私って天才!」
自画自賛してしまうほど馨君のビフォーアフターが違うのだ。
後は正確が外交的だったらいいよね。
「後は対価をちゃちゃっと貰って完了だから!」
馨君の顔を手で押さえ、唇に自分のそれを押し付けた。
「んうっ!?」
「これが対価だから。 ……動かないでね」
対価は"キス"。
ただ行為中に私と出会った記憶、依頼内容、そして大切なものを頂く。
「……っは。 それじゃ、私おさらばするね!」
小さく耳元で囁き、部屋から消えた。
「……あれ、なにしてたんだっけ?」
そんな声が暗い部屋にポツリと響いた。