「これでやっと、全てが終わる…」

呟くように言うと、やってきた睡魔に誘われるように宗助は目を閉じた。

この15年間の出来事は、苦しくて仕方がなかった。

ずっと復讐のことばかりを考えていた。

実父の仇を打つことばかりを考えていた。

その間に夏々子と瑛太と桑田に出会って、努力の末に日本を代表するバンドの地位を獲得して…と、いろいろなことがあった。

もうこれで、失うものは何もない。

全ては、12月20日――実父の命日でようやく終わる。

「――お父さん、僕はやるよ…。

必ず、あいつを殺すから…。

あなたの仇を必ず打つから…」

宗助は呟くと、夢の中へと意識を飛ばした。