いてもたってもいられなかった。



 勉強なんて手が付かない。
 とても集中できるモノじゃない。


 私は家を出た。なんとなく、外の空気を吸いたかった。



 空は快晴。ああちがう、雲がまあまああるから晴れ。


 空ってなんで、外側は色が薄くて真ん中は濃いんだろう。


 私の中での自然七不思議。



 なんとなく周りを散歩してみる。いくぶん昇った太陽が川に反射し、水面にアートを作る。


 近所の桜はすでに散り、花びらが地面にじゅうたんを作っている。


 通学路では通らない方向なので、なんとなく珍しさがあった。
 学校の前にも桜はあるんだけど。


 こんなにも平和なら、地震なんて起きやしない。



 風が心地よく髪や木々のすき間を通り抜けていく。風って色付けたらどんなふうになるんだろう。


 のんきなことを考えながら歩いていた。


 とき、




「え…、あ、きゃあ!」




 ふいに、足元が抜け落ちた。


 落とし穴? いや、落ちる前に確認した。


 ガラスの破片みたいなのを踏んだ気がした。のに、踏んだ感覚はなかった。


 と思ったら、からだが吸い込まれていった。どうなってるのかわからない。



 意識が遠のく。これからどうなるの…―――。




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