味のよくわからない食べ物を租借するようだった。
この世界。
「今、タイムスペースが少しずつ欠けてきてるの…」
どのくらい浮遊しただろうか。
空中にひびが入っているのが見えた気がした。
「あれが…?」
「うん」
ドームの天井が崩れるみたいだ。
といってもこの世界――タイムスペース――にはドームのように区切りの天井などないのだけど。
「壊れた破片がね、現実の世界に飛んでいっちゃったの。私と昴はそれを捜してたけど…」
霜月さんははあ、とため息をつく。
空中に入った亀裂を強く見つめた。
「前カナタに職員室でみっともないところ見せたけど…、うん、ごめん、なんか恥ずかしいけど白状する」
そう言ってちろりと舌を出す彼女はかわいく、はかなげだった。
照れくさそうに顔を赤めた。
「あれ、ノートね、その破片の手がかりをメモしてたのに、消さないまま提出しちゃって。だから先生に見つかる前に取り返そうと思ったのに結局何も書かれてなかったの。ほんとバカ」
霜月さんは自分の頭を軽く小突いた。
なぜか同時に、僕は羞恥心を覚えていた。
彼女は誰も知らないところで、この世界を守ろうとしていた。
恥をかいてでも。
そんな彼女を、あの頃の僕はみっともないと思っていた。
そんな僕のほうがカッコ悪い。
「あ、あともう私のことハルカって呼んで。私もあなたのことカナタって呼ぶ」
「え、呼び捨て?」
確かにさっきから霜月さんは僕のことを呼び捨てにしてるけど…。
「うん。ハルカとカナタ。それでいいかな」
「…うん」
僕がそう答えたとき、突然目の前の景色がかすみ始めた。
彼女の顔も昴の顔も、ぼやけて見えない。
それと同時に意識が朦朧とし始めてきた。頭の中に霧がかかっているみたいだ。
ああ、もっと一緒にいたかったな。
待って、まだ―――――
――――
――
―
‡‡‡‡‡
この世界。
「今、タイムスペースが少しずつ欠けてきてるの…」
どのくらい浮遊しただろうか。
空中にひびが入っているのが見えた気がした。
「あれが…?」
「うん」
ドームの天井が崩れるみたいだ。
といってもこの世界――タイムスペース――にはドームのように区切りの天井などないのだけど。
「壊れた破片がね、現実の世界に飛んでいっちゃったの。私と昴はそれを捜してたけど…」
霜月さんははあ、とため息をつく。
空中に入った亀裂を強く見つめた。
「前カナタに職員室でみっともないところ見せたけど…、うん、ごめん、なんか恥ずかしいけど白状する」
そう言ってちろりと舌を出す彼女はかわいく、はかなげだった。
照れくさそうに顔を赤めた。
「あれ、ノートね、その破片の手がかりをメモしてたのに、消さないまま提出しちゃって。だから先生に見つかる前に取り返そうと思ったのに結局何も書かれてなかったの。ほんとバカ」
霜月さんは自分の頭を軽く小突いた。
なぜか同時に、僕は羞恥心を覚えていた。
彼女は誰も知らないところで、この世界を守ろうとしていた。
恥をかいてでも。
そんな彼女を、あの頃の僕はみっともないと思っていた。
そんな僕のほうがカッコ悪い。
「あ、あともう私のことハルカって呼んで。私もあなたのことカナタって呼ぶ」
「え、呼び捨て?」
確かにさっきから霜月さんは僕のことを呼び捨てにしてるけど…。
「うん。ハルカとカナタ。それでいいかな」
「…うん」
僕がそう答えたとき、突然目の前の景色がかすみ始めた。
彼女の顔も昴の顔も、ぼやけて見えない。
それと同時に意識が朦朧とし始めてきた。頭の中に霧がかかっているみたいだ。
ああ、もっと一緒にいたかったな。
待って、まだ―――――
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