タイムスペース


「…ごめん、急に呼び出しちゃって」


 霜月さんは唐突にそう言い、頭を下げた。


 呼び出された? 僕がここに来るのを知っていたのか。


 なぜ知っていたのか。そもそもここはどこなのか。
 なぜ昴や霜月さんが生きているのか。しかもなぜ昴はこんなすがたなのか。

 周りに浮いている光はなんなのか。
 なぜ僕は突然こんなところに来たのか。


 聞きたいことはたくさんあった。


 霜月さんは顔を上げ、「七瀬くん。ううん、カナタ」と僕の名を呼んだ。

「突然いろんなことがあって驚いてると思う。でも全部あとで説明するね。ちょっと、待ってて」


 そう言い残し、彼女は去った。影のように。


 音もないその世界に、僕と昴だけが取り残された。



「…兄ちゃん…最近変なニュースとかある?」


 接点もなく、昴が口を開いた。

 僕は「特に…」と答える。なぜ昴がそんなことを聞くのかもわからなかった。


「ところで、お前、霜月さんと何か関係があったのか?」


 僕が尋ねると、「関係っていうか、僕が来たときにはすでにいたよ」と答える。

「来た? 来たってなんだよ。いつ来たんだよ」


「たぶん言っても信じてもらえない」


「いや、この状況否定できないだろ。なんでお前がそんななのかもわかんないし…」


「…ここはいずれ兄ちゃんも来る世界だよ」


「…は?」


 僕は不可解に思い、昴を見上げる(浮いている昴のほうが目線が高い)。


「あと、兄ちゃんの嫌いな、終わりがないよ」


「は? 終わり? お前なんでそんなこと知ってんだよ」


「ないしょ」