ミネラルウォーターなんていつ買って来てくれたんだろ……
さすが、宮村。
やることがイケメンだ。
そんなさりげないとこがまたモテる要素なんだよな〜
そのとき、ふとアイツのことを思い出した。
それは橘に連れられてやってきた遊園地でクタクタになったあたしにジュースをくれたとき。
『感謝しろよ、奢ってやったんだから』
嫌味ったらしく笑う橘。
しかも上から目線。
何も言わずに渡してくれる宮村とは大違いだ。
宮村が人気あるのはわかるよ。
でも、アイツがあんなに人気でもてはやされてるのがイマイチ理解できない。
「そろそろ体育館閉めるぞ。用務員さん待ってるからな」
「お、おけっ!」
ミネラルウォーターをカブ飲みして適当に鞄を片付けていると宮村がフッと笑った。
「……え?なに?」
「いや、笹原らしいなーって。なんか安心するわ」
何のことかさっぱりなあたしは首を傾げるだけだった。