一瞬、何が起こったか分からない。
ただ、目の前には唖然とする橘の顔が。
「……え?…あ…」
だけど、その表情はどんどんと黒さが増して行く。
「…にすんだテメェ」
ワナワナと震え出す橘をあたしはただ見つめることしか出来ない。
「いや、ごめ……」
慌ててバックからハンカチを取り出して橘に渡す。
よ、よかった…ハンカチ入ってて……あたしよナイス!
…いつものあたしのカバンには入ってないけどね。
橘はそのハンカチを引ったくり顔を拭く。
「ったく、汚ねぇヤツ。ムードの欠片もねぇわ」
そう、あたしの顔にハンカチを押し付けた橘。
ムードって……
はっ、さっきあたし……
あそこでくしゃみしなかったらどうなってたんだろ……

