「……そ、そうなんだ…でも何であたしは…」
誰も連れて来ていない場所にどうしてあたしは…?
疑問を浮かべたまま見つめると、橘はあたしから視線を逸らした。
「…お前と一緒に見たかったんだよ。それだけ」
その横顔は何だか頬が赤い気がした。
夕日のせい?それとも……
あたしの視線に気づいた橘はなぜかムッとした表情をする。
だけど、すぐにいつもの橘に戻ってイジワルな笑みを浮かべ……
そっとあたしの頬に手を伸ばした。
触れる、あたしの頬と橘の指先。
その触れている部分だけ熱が帯びたように熱い。
「……笹原」
そして、その端正な顔はゆっくりと近づいてきて……
「…ヘックション!」
その綺麗な顔にあたしの盛大なくしゃみが飛び散った。

