数十分電車は走ると、終点の駅までやってきた。
あたしが住んでるところよりちょっと田舎だな……この辺来たことないや。
「降りんぞ。」
橘はさりげなくあたしのお土産の袋を持って腕を引いた。
「…ちょ、いいよ、あたしが持つから…」
手を伸ばし奪い返そうとするけど
橘は返してくれない。
「…普通なら、ここでありがとうって言うんだろ」
そう言った橘はスタスタと一人で行ってしまった。
「……何よ、あたしはどうせ可愛くないですよーだ」
小さい声を漏らし、あたしは橘の背中を追った。
橘の一歩後ろを歩いていると、急に立ち止まる。
「…ブハッ」
案の定、橘の背中に顔面直撃。
「ちょっと!いきなり止まんないでよ!!」
そう、橘の背中を叩くと風に乗って潮の匂いがした。

