大っ嫌いなアイツに恋をした。





「私たちも昔あんなんだったね〜懐かしい」


「喧嘩ばっかだったよな〜マジ懐かしいわ」



振り返ると、手を繋いだ男女が笑いながら話し合っていた。

2人ともその左手薬指には指輪が……


婚約者かな……もうすぐ結婚するんだろうか。


そんなことを思っていると、後ろの2人と目があってあたしはお辞儀をする。


すると、若い2人のカップルはあたしたちに微笑んで通り過ぎて行った。


いつか、子供と一緒に来るんだろうか…


そんなことを思うと、思わず笑みが零れた。



「ブッ、幸せそーな顔だなおい」



その声に我に返ると、橘も優しく笑っていた。


なんだ……そんな顔もできるんじゃん。


いつもイジワルな顔しか見ないからこんな優しい顔もできるなんて知らな……


いや、知っている。


本当は優しいヤツだって

あたしは知っている。



だから、一度好きになったんだもん。