せっかく走って来たのに、来た道をまた戻るなんて……最悪だ。
どうせなら近くのショッピングモールで買い物して帰ろうかな。
そうだ!愛美を呼ぼう!
そう、携帯を取り出したとき
女の人たちがザワザワとしてきた。
またですか、何事?
あたしは電話しているフリをして、そっと耳をすました。
「わりぃけど、俺大切なヤツ待ってんだよね。だから…ごめん」
その言葉に、周りにいた女の人は名残惜しそうに橘から離れていった。
……大切なヤツって何。
まさか…いや、そんなわけない。
あたしはブンブン頭を振った。
時計台にもたれて橘はジッと待っている。
そろそろ声かけた方がいいよね…
そう思ったとき、いきなり着信音が鳴った。

