「あ、あの…橘?」
思わず後ずさるけれど、壁に背がぶつかりこれ以上逃げれないと悟る。
「勝手に出歩いて、お仕置きが必要なんじゃねぇの?」
橘はあたしとの距離を詰め、顔を近づけてくる。
「で、出歩いたって、それは仕方なしに…っ!」
「まぁ、そうか。一人で夜の山ほっつくぐらい大事にしてたんだもんな?」
橘はあたしの頬を撫でニヤリと微笑む。
「でもさ、お前、無防備すぎ。俺はキーホルダーなんかよりずっと、お前が心配で仕方ねぇよ」
橘はあたしをそっと抱き寄せ首筋に顔を埋める。
「キーホルダーなんか無くたって、俺はここにいんだけど。ずっと、美優のそばにいるから」
ぎゅっと抱きしめられ、嫌ってほど橘が近くに感じられる。
「あたしも、ずっと…橘のそばにいる」
思いに応えるようにぎゅっと抱きしめ返すと、橘は優しく頭を撫で髪にキスをした。
ドキドキしながら顔を上げると、橘はニコリと笑った。
「じゃあ、美優チャン。お仕置きタイムな」

