「……美優先輩、いいんですか?」
陸はさっきより表情を明るくしてあたしを見上げた。
「いいも何も、あたしの責任だから!」
陸に手を伸ばそうとしたとき、なぜか橘によって遮られてしまう。
不機嫌そうにあたしを一瞥した橘はあたしを背に隠すように立った。
「お前、美優に触れたいからって即答してんじゃねぇよ!!」
どうやら怒りの矛先は陸のようで……
「……は?あなたと一緒にしないでもらえます?俺はそんな不純じゃないんで」
サラッと言った陸にカチンと来たらしい橘は陸を米俵のように担ぎ上げた。
「ちょっ、何すんだよっ!降ろせっ!」
「うっせぇな。怪我人は黙っておぶさってろ」
気迫ある橘の声に陸は何も言えず担がれたまま宿舎に到着した。

