ギュッと目を瞑ったそのとき、明るい光が近づいてあたしを照らした。
「…アホが!何やってんだこんなとこで!」
そっと目を開くと、懐中電灯を片手に持った橘が息を切らして立っていた。
いつも、そう。
いつも……あたしのことを見つけてくれる人。
「……た、ちばな…ごめ、ん。クマのキーホルダーが……無くなって…」
橘はあたしの言いたいことを察したらしく、ため息を吐いた。
「だからって、こんな時間に出て行くやつがいるか!」
橘は珍しく憤った表情であたしを見据える。
「……でも、橘から貰った大事な…」
「お前が言いたいことはわかってる。でも、何かあってからじゃ遅ぇんだよ!」
険しい顔をした橘があたしに迫る。
ああ、ダメだ……
ギュッと目を瞑ると、その逞しい腕に引き寄せ橘はあたしを抱きしめた。
「……まじで、心配かけんな…バカ」

