あたしだけ見ていてね、とか
ヤキモチ妬いたよ、だとか素直に言えればいいのに。
「可愛くなくて悪かったね〜!でも、そんなあたしと橘は付き合ってるじゃん!」
どうして、安心したいんだろ。
どうして、言動で表してくれないと不安になるんだろ。
どうして……胸が痛くなるの?
橘は身体を少し離して、あたしの髪をクシャッと撫でた。
「そんなもん、しょうがねぇだろ。お前が好きなんだから」
屈託無い笑顔をして、あたしの頬に触れるだけのキスをした。
何だよ、もう……
「……あたしも、しょうがないくらい好きだバカ」
想いを込めて、ギュッと抱きしめた。
恋は盲目、だと
そんな言葉をどこかで聞いた────。