「あ、負けた方が勝った方のが言う事聞くってのはどうよ?」


そう、ニヤリと笑う橘。



「いいよ?でも、その格闘ゲームあたしの得意なやつだから負けても言い訳聞かないよ?」



お兄の影響で男子が好きそうなバトルゲームは大の得意だ。



「ふーん?なら決定だな。後で泣いたって知らねぇから」


「望むところよっ!」



こうして始まったゲームバトル。


勝ったのは……



「はっ、大見得切って言ってたわりには弱ぇな美優ちゃん?」



くっ……

あたしはコントローラーを持ったまま橘を睨みつけた。


圧勝で勝ったのは橘だった。


だいぶ前の柔道の勝負といい、あたしはやはり橘に何をしても勝てないらしい。



「さーて、何してもらおうかなー」



楽しそうに笑う橘にあたしは勝負を引き受けた後悔しか残っていなかった。