「アイツにはもう近付くな」
振り返った橘の目は鋭くて何だか怖かった。
「何で…先輩はあたしを」
「何でもクソもあるか。俺はアイツが嫌いなんだよ。それだけだ」
そう言ってまた歩き始める橘にあたしは手を引っ張って止めた。
「何それ、自分勝手だよ!橘だって女の子に囲まれてヘラヘラしてたじゃん!」
勢い余って気持ち任せに言うと橘は目を瞬かせる。
「嫌なの…橘が他の女の子たちに触られるのが嫌…────」
「……黙れよ」
掴んでいた手を強く引き寄せられあたしは橘の胸の中にいた。
「いきなりそーいうの言うなアホ」
あたしの首筋に顔を押し付ける橘はボソッとそう言った。

