視線を辿るとそこには女の人たちに囲まれた橘がいた。
遠くからじゃ会話なんて聞こえないけど、橘は笑顔を浮かべて女の人たちに対応していた。
そのうち一人の女の人なんか、腕を絡めるようにして橘にベタベタしている。
バカ、何でそんなに笑顔なのよ。
ベタベタされちゃって…
触れて欲しくない
あたしの橘なのに……
見ないフリして俯きながら歩くと
向かいから来た人にぶつかってしまった。
ぶつかった拍子に身体が後ろに逸れる。
倒れる────!
浮遊感に覚悟して目をつぶったそのとき
「大丈夫?」
ふわっと誰かに抱き止められる。
「すっ、すいませ────」
顔を上げるとそこには…
「永見、先輩……」
「……笹原?」
好きだった人。
永見先輩があたしを抱き止めるようにして支えてくれていた。

