「じゃあ、俺たちも一緒に探してあげるよ」
男はそう言ってあたしの肩に腕をまわしてくる。
不信感しかなかった。
何なのコイツら……
「そういえば、キミみたいな女の子を探してるって人がいたんだよね〜」
「…え?本当ですか!?あの、浴衣を着た茶髪の背の高い男なんですけど…」
「あ〜確かそんな感じだったかな〜?あ、こっちだよ」
男はどんどん南橋宮の奥へとあたしを連れて行く。
人気もなく薄暗い。
提灯や電飾で明るい屋台の通りとは大違いだ。
本当に橘はこんなところにいるの?
「あの……全然人がいないんですけど…」
不快に思って言うと、男たちは不審な笑みを浮かべる。
「それは当たり前じゃん。わざわざ人の目につかないところに連れて来たんだから」
ニヤリと笑う男たちの思惑にようやく気がついたあたしは肩にまわった手を思い切り振り払った。