「言っとくけど、足立と賭けっつーのは…」
「バカ、わかってるての。どーせ、口から出任せだろ。素直じゃねぇよな本当にお前」
和樹の言う通り、ただの出任せ。
足立と賭けていたわけでもなく、アイツに対する想いは冗談なんかじゃない。
単に、フられたくなかっただけ。
俺のつまらないプライドが許さなかった。
マジ、ガキくせぇ。
フられるなら一層のこと全部無かったことにしようとして、足立と賭けてた…なんて出任せ言って
多分、もっとアイツを傷付けた。
いや、そのほうが清々してんのかもな。
俺ってこんな弱々しいヤツだったか?
女なんてそこらじゅうにいるんだ。
なのに…何でアイツなんだろうな。
何でこんなに…苦しいんだよ。