大っ嫌いなアイツに恋をした。




何とか走って辿り着いたのは地元の神社。

慌てて入り木々の後ろに身を隠した。



「まだ近くにいるはずだ!探し出せっ」


神社の外からは荒々しい男の声が聞こえる。

男をこんなに恐怖に感じたのは始めてで震えが止まらない。

いつもならあんなヤツら蹴散らして…


ううん、ダメだ。


きっと震えて手も足も出ない。


カバンは男に投げつけて何も持っていない。

携帯さえあれば…


ハッとしてスカートのポケットを探ると偶然にも携帯だけ入っていた。


震える手で連絡先を開く。


そして、何の迷いもなく通話ボタンを押した。


出てくれるなんて確証はない。

だけど────


今一番聞きたいのはアイツの声。