「おっ、陸じゃん!久しぶりだな!イイ男になってやんの」
振り向くと、長身の男が玄関の扉を開けて出てくるところだった。
「り、涼斗さん!お久しぶりです!」
陸は丁寧に頭を下げにっこりと笑う。
ああ、ああ、こんなヤツに頭なんて下げる必要ないのに。
無造作にセットされた黒髪にすっかり緩くなっているネクタイ。
会社帰りのくせに、何で実家にいんのよ。
「美優、お前帰ってくんの遅ぇよ。腹減ってんだけど」
誰のせいだと思ってんのよ!
「…っていうか何でここにいるの」
「あ?真紀とケンカしたんだよ。で、ココに避難中〜」
何が避難中だ。
どうせお兄が真紀さん怒らせたんでしょ。
ったく、本当ガキなんだから。

