大っ嫌いなアイツに恋をした。




「おっ、明秀じゃん。あったり〜」


車から降りて来たうち一人があたしたちの制服を見てそう言った。


明秀高校、それがあたしたちの学校の名前だけど…それが何?



「ちょっと人探してんだよね。昔、明秀で有名だった涼斗ってヤツ。知らない?」



涼斗…りょうと?

その名前を聞いた瞬間、ドキッとした。


涼斗ってまさか…っ



あたしの顔色を見て男は言う。


「この一帯の番張ってた笹原涼斗。その顔…あんたソイツ知ってんの?」



フードの男はそう詰め寄って来た。



知ってるも何も……


あたしの"兄"です。


なんて言えるわけもなくて。



この状況からしてお兄の楽しいお友達…ではないみたい。

高校時代、散々暴れ狂ってた笹原涼斗ことあたしの兄。

手をつけられないほどの不良というヤツで相当他の人から恨みを買っていると小学生だったあたしでも読み取れるぐらいだった。


そんな彼に恨みを持ってる人は沢山いるだろうけど…

兄も二十三歳今じゃ社会人。


今更何を…?