大っ嫌いなアイツに恋をした。




普通の通行人なら警戒したりしない。


しかし、こちらに向かって歩いてくる男はパーカーのフードを深く被りいかにも不自然に見えた。


そのまま道を引き返せばよかったもののあたしは咄嗟に愛美の手を掴んで足早に歩く。

案の定、フードの男は道を遮るようにあたしたちの前に立った。



「姉ちゃんたち、ちょっとイイ?」


声色からして多分、若い。

二十代前半ってところ?



あたしは目の前の男を強く睨んで口を開く。



「……何ですか」



最も低い声を出して威嚇すると、目の前の男はおかしそうに笑った。



「そんな警戒しないでよ。まだ何もしてないじゃん」



ヘラヘラと笑う男に苛立っていると、そいつの後ろに黒いワゴン車が止まる。


そして柄の悪い2人組が車から降りて来た。