「一年も前のことだよ。っていうかよくよく考えると好きじゃなかったんだよね!さ、錯覚?起こしてたみたい!ははっ」
うまく笑えているだろうか。
お願いだから…気づかないで。
俯いて早足で歩くと愛美はため息を零した。
もしかしたら、この嘘に愛美は気づいているだろう。
誤魔化すために違う話をしようとしたとき、愛美はハッとして声をあげた。
「今、黒いワゴン車通らなかった…?」
「黒いワゴン車…?ごめん見てなかった…」
黒いワゴン車…って集会の話で出ていた不審者の?
まさか…違うよね?
なんて思っていたら、目の前の曲がり角から男が歩いてきた。

