大っ嫌いなアイツに恋をした。




「男に勝てるなんて自信あるのか知らねぇけど所詮お前は女。間違っても手出したりすんな。逆にヤられる」



そう言って橘はあたしとの距離を詰めて壁に追いやった。


さ、さっきからな、何?何の忠告?


所詮お前は女、って橘はそんな風に思ってないくせに。


「あ、橘が昨日あたしに言いたいことってこのこと?」


そう言うと、橘はハッとした表情をして黙り込んだ。


もしかして、違う…の?

もっと他の…



「…まあいいわ。今は。…とにかく気をつけろよ」


橘はあたしの頭をポンポンと優しく叩いて教室に戻って行った。



気をつけろよ…なんて、アイツの口から初めて聞いよ。





「昨日、やっぱり何かあったんでしょ?」


二人で歩く帰り道、愛美は突然口を開いて言った。