「そんなもんしなくても、二人で入ればいいだろ」
橘はそう、傘を開いてあたしをこちらに呼び寄せる。
「……は、いいよ。あたし走って帰るし」
橘と相合い傘!?
何が悲しくてコイツとカップルじみたこと……
「どーせまた風引いてぶっ倒れんだろ?ほら、こっち来いよ」
そう言って橘はあたしの手を掴んで傘の中に入れた。
思ったより距離が近く、お互いの肩がぶつかる。
パッと混じり合う視線に二人とも慌てて逸らした。
「な、なんか喋ってよ…」
「は、お前が喋れよ…」
何この気まずい雰囲気。
こんなことになるなら雨にうたれて帰った方が何倍もマシだよ!
「ママ見て〜おにいちゃんとおねえちゃんアイアイ傘してるよぉ〜」
気まずいの雰囲気の中、公園の横を通ったとき小さな女の子にそう指をさされた。

